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トラ先生悶える⑤
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そんな楽しいデートも一度だけ険悪な空気になってしまうことがありました。
トラ先生が美味しい珈琲ぜんざいのお店の場所を売店の方に聞いている間、ぼくは近くのテーブルセットの椅子に座って湖を眺めていたところを、一眼レフを持った若いお兄さんに写真を撮らせて欲しいと声をかけられ、
「sorry,no thank-you.」
と一言告げて、あとは日本語が分からない振りをしているとレンズをこちらに構えられたので、どうしようかと考えていたら
「excuse me.May I help you?」
トラ先生が片手でグイッとぼくを抱き寄せ、もう片方の手は破壊する勢いでカメラのレンズを握りしめ、殺人でも犯すようなオーラで相手に笑いかけられる。
恐ろしい殺気を飛ばす恋人の出現に、お兄さんは一瞬のうちに姿を消しました。
「…ちっ。湖に沈めようとおもったのに!」
樂君の時といい、この人はどんな相手でも本気なので危ない。
トラ先生はぼくの肩を抱いたまま、顎をとって強く唇を重てきました。
「んっ…、」
咥内を存分に蹂躙し、ちゅっと音をたてて唇を離される。
ぼくは助けてもらったお礼にトラ先生の首に腕を回し、にっこり微笑んで
「I love you,my prince.」
少しふざけて耳元に囁く。
冗談のつもりだったのに、トラ先生は顔を赤くしてぼくをぎゅうぎゅう抱き締められました。
実はこの少し前のことで、遊覧船を降りたあとにぼくが手洗いから戻って来ると、トラ先生はだれかと電話で話されてました。
そしてぼくは目の前できゃいきゃいとはしゃぐ二人連れの女の子たちのスマートフォンの画面が、トラ先生をフォーカスしているのを偶然見てしまった。おそらく風景を撮るふりをしてトラ先生を写そうとしているのだろう。
腕を組んで伏し目がちに通話する姿は美しい湖をバックにとても画になっていたものね。
ぼくは彼女らのスマートフォンを叩き潰したい衝動をぐっと堪えて、トラ先生のところに行きすり寄るように抱きついてしまった…。
そんなことがあって正直気持ちがもやもやしていたけれど、トラ先生の殺人オーラで吹き飛びました。
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