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ルームメイト
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俺は心を決めて、それを一気に飲み干した。
一瞬、死ぬかもしれない、と思ったが、もう遅かった。
ちなみに、どんな味かとかは、緊張のあまり覚えていない。
しかし、変化は一向に訪れなかった。
「…は、なんだ…やっぱりただの悪戯か…」
こんなくだらない、誰の利益にもならないようなことをする奴がいるとは。
信じた俺も馬鹿っちゃ馬鹿だったけれど。
俺がそう独りごちているところに、誰かが玄関を開ける音がした。
ルームメイトだ。
彼の名は…確か、高梨碧月(たかなしみつき)。
一般的に、この学園の寮では、二人一組で一部屋を使うことになっており、ルームメイトはランダムで選ばれる。
ハッキリいって、俺と高梨はルームメイトにも関わらず、全く関わることがない。
理由は簡単だ。互いに興味がないからだ。
というより、高梨碧月という男は、完全に俺とは住む世界が違う奴だ。
まあ多少下品な言葉で言うなら───ヤリチンというやつだ。
その甘いルックスとチャラさを生かし、数多の可愛い男の子達を堕としてきたという噂だ。
──普通に社会に生きていれば男を掘るなんて事もなかっただろうに。
そんな彼が至って普通の俺に興味を示すはずもなく、する会話といえば業務連絡のみ。
部屋は共同スペースと個人の部屋に分かれているし、彼はあまり共同スペースを使用することもないため、あまり顔を合わせることもない。
唯一の迷惑は、ほぼ毎日の頻度で男を連れ込んで来る為、毎晩俺がその喘ぎ声や割とうるさいスプリング音を聞くことになるということだ。
高梨がそのことを分かっているのかどうかは知らないが、まあ俺にやめさせることなど出来ないから、放置している。
またどうせお持ち帰りしてセックスするところだったんだろう。
俺の予想に反して、その足音は俺の部屋の前まで近づいてきた。
そしてなんと、高梨は扉をノックすることもなく、がちゃりと開けて入ってきた。
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