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部屋に帰った俺は着替えを済ませてから待っててくれた琉聖と一緒に食事を摂った。
聞きたい事はいっぱいある。
でもどうやって聞いたらいいかよく分からなかった。
黙ったまま食事を続けているとふと視線を感じて顔を上げると、琉聖がじっと俺を見ていた。
「どうかしたの?」
「・・・いや。」
「・・・」
「・・・」
あ〜何なの?
この変な空気。
だいたい琉聖どうかしちゃったの?
熱でもあるとか?
あまりに普段と違う琉聖の態度に心配になって立ち上がると、テーブルに身を乗り出して目の前に座る琉聖の額にてを当てた。
「何してる?」
「熱でもあるのかと。」
「何で?」
「え?琉聖が変だから。」
そう言うと、琉聖は額から俺の手を除けた。
「熱なんてない。良いから座れ。」
言われて黙って座る。
でも琉聖から視線は逸らさないでいた。
本当にどうしちゃったんだろう?
あんなに横柄で俺様な態度だったのに・・・
「心配して、悪いか?」
少し拗ねたような琉聖の顔に思わず口元が緩んだ。
「ありがとう。嬉しい。」
素直にそう伝えると、ちょっとだけバツが悪そうに琉聖が顔を逸らした。
「琉聖、俺の何が心配?」
素直ついでに聞いてみる。
マナーが覚えられないのじゃなくて、俺が心配だと言ってくれた。
さっき気になった事の答えを琉聖はくれるのだろうか?
「前に兄の『大切な人』が言ってたんだ。あの人が『教育』を受けた時に泣きながらもう嫌だって。精神的にキツイって。だから・・・」
切なそうにそう呟く琉聖は自分が苦しそうに呟いた。
でも俺は、ちょっとだけ嬉しかった。
琉聖が俺の精神的苦痛の心配をしてくれてる。
それだけでありえない量の勉強も頑張れる気がした。
「琉聖、俺は大丈夫。琉聖がこうやって夕食一緒に食べてくれたり、俺の心配してくれるから。それに・・・」
「それに?」
「こうやって側に居てくれる。それだけで頑張れる。」
テーブルに置かれた琉聖の手に自分のを重ねて真っ直ぐに気持ちを伝えた。
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