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HRが終わり授業までの短い時間が訪れる。
遠巻きに俺を見る視線が全身に絡む。
友達になりたいとか転校生が珍しいとかそんな生易しい物じゃ無くて、どちらかと言えば『値踏み』されてる感じがする。
居た堪れなくなって席を立とうとした時、教室のドア付近から声がした。
「橘くん、橘 深月くん居る?」
少し大きめの声に俺も同級生達もそちらを見る。
そこには長身の顔立ちのハッキリした男の人が立っていた。
「クリス様だ。」
同級生の呟きが微かに聞こえた。
クリス様だと言われた男の人は教室を一巡して俺と目が合うと、その優しそうな顔を綻ばせる。
「居た居た。」
そう言いながら真っ直ぐ俺に向かってやって来た。
あっちは俺を認識してるらしいが、俺は全く知らない顔に頭を巡せる。
知り合いか?
イヤイヤ、あんな綺麗な外国人に知り合いなど居ない。
俺は至って普通の高校生だ。
まさに住む世界が違う人物の登場に少し戸惑う。
そんな俺を他所にクリス様と呼ばれた外国人が目の前に立って優しく微笑んだ。
「はじめまして、橘 深月くんだよね?俺はクリス・ポートマン。琉聖が待ってる。一緒に来て。」
少し前に聞いた名前に驚いてる俺の手を掴むと、クリスは足早に教室を出た。
何が起こってるのか理解してない俺は無駄に抵抗もせずされるがまま後を着いて行った。
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