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一縷視点。
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嘘だろう?
理事長と話ているのが桜川だとして、聞こえてきた言葉からすると、彼は特待生で首席…?
成績張り出しの時も、一度だって一位だったことなんてなかったはずだ。
考えれば考える程モヤモヤとした思いが心に停滞して「早く本当のことが知りたい」という思いが強くなった。
―ガチャ。
重く堅い扉が開きかける音がして、俺は慌ててその場から離れる。
そしてまるで、理事長室の反対側からやってきたかのように装った。
「…あ」
「…あ」
二つの同じ言葉が同じタイミングに重なる。
俺の視線の先にいる本当に驚いたような表情を浮かべた彼は、やはり桜川だった。
気のせいかもしれないが、彼の様子がいつもと少し違うように思える。
いつもより、人間らしいような、そんな。
やっぱりこれは、作られた姿なんだな。
疑問が、間違いのない確信に変化した。
―彼のことを知りたい、と激しく思った。
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