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迷惑
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ピピッと機械的な音がして目を覚ます。
それは何度も何度も聞いて、聞き飽きていた音。
見なくても分かる、この独特な匂い。
また戻ってきてしまった。
あまり好きではない、病院。
薄く目を開くと、横に人影が見える。
誰だろうと考え始めてすぐにたどり着く思考。
「先輩……」
確認するために再度目を開けば、やはりそこには彼の姿があった。
「律!?……具合は?気分はどう?」
突然話し出した僕に驚きながらも、すぐに心配してくれる優しさ。
優しい感情というものは、僕にとって少し怖いもの。
「…全然、本当に大丈夫なんです。すみません本当に突然、迷惑をかけてしまいました。………驚かせてしまいましたよね」
苦笑いをしながらそう言うと、やっぱり優しい人だから微笑んで、「本当に大丈夫なのか」とか「驚いたけど大丈夫だから」とか気の利いた言葉をかけてくれた。
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