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おもい【勝生勇利】
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「いい、ヴィクトル。これから僕ちゃんと話すから黙ってきいていてほしいんだ。」
「OK、勇利。せっかく君が話してくれるんだ、邪魔はしないよ。話して勇利。」
今度はヴィクトルが僕の手を包むようににぎってくれた。僕は改めて一呼吸ついて話始めた。
「僕はね、最初からこのコーチと選手の関係を短いものにしようと思っていたんだ。僕の憧れヴィクトル・ニキフォロフ。でもそれは僕だけじゃなく、世界のあらゆる人たちの憧れでもある。そんなヒーローを僕だけが独占するなんて、本来はあってはいけないことなんだ。皆のものだから…。だから短くして早く氷の上に戻さなきゃ!…戻そうと思ってたずっと。だけどね貴方と過ごす日が進むにつれて僕は離したくないと思った。ずっとずっと、ずっと!ヴィクトルが僕だけのものならいいのにって…そしたらヴィクトルが僕が引退しなきゃいいのにって…ヒグゥ…エック……」
どうしよう。ちゃんと伝えなきゃいけないのに涙が止まらないよ。
止まって止まってよ。
僕の涙腺はおかしくなったようで自分の言うことを聞かない。
ヴィクトルがそんな僕を壊れるんじゃないかってぐらいにだきしめた。
「勇利、ゆっくりでいいよ。ちゃんときくよ。」
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