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シマジロウ温泉-9
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ゆっくりと目を開けると、今まで失っていた自信と王者の風格を取り戻した律耶がそこに居た。
あれだけ律耶を苦しめてきた雷が窓の外でガラガラと自己主張しているのに、本気になった超人にはそれすら耳に入らないのか真っ直ぐな視線をぶつけられる。
「嫌だって言っても止めてやらないからな」
いつもの律耶に戻ってからの行動は早かった。
疾風が駆け抜けるかのようにくるくると浴衣を脱がされた漣人が展開の速さに着いていけていないのをいい事に、そのままの勢いで冷んやりとした液体を塗り込められる。
夏も終わりを迎える頃で、山の上なのでクーラーは点けなくても過ごせる温度だ。
ほんのりと火照った身体に冷たい刺激は異質なものに感じる。
その感覚が一層これから始まる行為に現実味を持たせた。
「せ、せんぱい……やっぱり」
「何か言ったか」
ギロリとひと睨みされるとそれ以上何も言えない。
もっとひとつひとつのプロセスを大事にしながら前に進みたいのにそれは許されないようだ。
(とりあえず何で昔の先輩に戻ってるんでしょうか)
漣人が所望していたのは付き合い始めてからの優しいけれども自信に溢れた律耶であって、昔の鬼のような律耶ではなかったのだが……。
(痛いのはいやです、神様)
この間は願い事を聞いてくれなかったから今回は聞いてくれるだろうと手をガッチリと組む漣人の脇で律耶は着ているものを潔く脱ぎ去った。
下着までポンと脱ぎ捨てられて目を逸らすタイミングを完全に失ってしまった。
完璧超人との渾名のとおり、律耶のそこも超人サイズ。
(嘘ぉ)
見るんじゃなかったと後悔してももう遅い。
超人サイズのそれが近付いて来るのをテーブルに据えられた生け贄のように息を殺して待つしかない。
「いいな」
同意を求めるというよりは自分に対しての覚悟のようにも聞こえる律耶の声に「……はい」と返事をしてしまった。
肩を背後から両手でがっしりと掴まれて違和感に気付いた。
「って、ちょっと待ったぁ」
「……」
肩を掴んだ手に顎を載せるようにして振り返ると律耶は超人を漣人に割り入らせようとしている。
いきなり待ったを掛けられてそのままの体勢で硬直してしまった律耶を撥ね飛ばして捲し立てる。
「なにいきなり突っ込もうとしてるんですかぁっ!!」
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