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シマジロウ温泉-10
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「駄目……なのか?」
「ふつう慣らすでしょう!!」
律耶の元から飛び去り、危うく流血の惨事になる寸前だったお尻を毛布で自己防衛する。
「慣らす……?」
言葉の意味すら分かっていない律耶が異星人に見えてならない。
「てかローションも持ってきてるのに使い方知らないなんてあり得ないでしょう」
「楽譜借りようとして凪の引き出し漁ってたら入ってたから持ってきたんだよ。とりあえず始まる前に掛けておくものだと思ったんだが違うのか?」
(凪先輩! 部室に何てもん持ち込んでんですかっ)
要るかと思って……と呟いている律耶に背を向けてローションの瓶を見ると半分ぐらい減っていた。
明らかに今使った量だけではない減りっぷりの生々しさにショックを受け、暫く固まってしまった。
(凪先輩……まさか部室で誰かと……)
ピアノサークルには男子部員しか居ないが、凪に手を出しそうな先輩には何人か心当たりがある。
(駄目駄目駄目っ)
尊敬する凪の恥態を振り払おうと頭を振った漣人の目に映ったのは一心不乱にスマホを弄る律耶の姿だった。
「って、何スマホで遊んでんですか」
メールかゲームか知らないが、この状況でスマホを弄るなんて信じられない。
「いや……知恵袋で……」
律耶が漣人の前に付き出した画面には
【至急】ローションの使い方を教えてください。
ちゃっかりとカテゴリマスターに回答リクエストしちゃっている。
「べ、便利なんだぞ。この前なんかどこのコンビニのあんまんがこしあんか教え」
「だからと言ってこんなこと質問しないでくださいっ」
そりゃあ、女っ気のない生活をしているなとは薄々感付いていたがまさかこれだけの美形がここまで知識を持っていないとは思ってもみなかった。
しかもいつの間にかヘタレな律耶が復活してしまっているし。
こうなったらもう自分に与えられた選択肢はひとつしかない。
「いいです。自分でやります」
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