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始動 8 (ゼロside)
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指で強引に口内を犯しながら、不意に幼くして人身売買の組織に捕えられた時の古い記憶が蘇る。
あれは家を出されて一年ほど経った頃だったか。
いつもは上手くやるのだが、たまたま体調が悪く、思わぬドジを踏んだ。
これもまた一興とばかりに周りを見渡せば、狭い倉庫に捕えられた子供の中に、やけに毅然とした瞳の少年がいた。
弟と思しき小さな身体が、その腕に必死にしがみついている。
自分とて震えるほど怖いだろうに、弟をかばい、凜と立つ姿に、魅せられた。
一際目を惹く美貌。
まるで砂に混じったダイヤのようだ。
この綺麗な顔を地面にひれ伏させ、思うまま歪めてやりたい。
強烈な衝動を覚えた。
その夜、何人かの少年がどこかへ連れて行かれた。
その中にはアキラもいて失望したが、弟と離れることを断固拒否したアキラに、すぐに会えると言った見張り兵の言葉に嘘はなく、やがて皆、足を引きずりながら帰ってきた。
ある者は泣き叫び、ある者は繰り返し吐き、狂ったように奇声を上げる者もいた。
そんな中、アキラだけは青白い顔をしながらも、弟を安心させるようにやさしく笑って見せた。
時折身体が痛むのか、息を詰める仕草をした。
まともに座れないのか、繰り返し体勢を変えている。
リンフィールド家を出される前に、幼いながらに閨での手ほどきを一通り受けていたせいもあり、アキラ達がどんな目に合ったのかは、想像に難くなかった。
自身、初めての時は溺れるほどの快感と身体が引き裂かれるほどの痛みを同時に与えられた。
相手を満足させるまで、終われない。
責め苦は延々、一月あまりにも及び、4人同時に相手にして満足させた夜、ようやく合格だと解放された。
確実に何かを失った気がしたが、純粋な快楽とその果てにある無限の可能性に魅せられ、結果的には己がその武器を手にした興奮が痛みに優った。
自分ならアキラに道を示してやれる。
たとえそれが地獄に続く道だとしても、弟というウイークポイントを抱えたアキラには、拒む術などないだろう。
『男の悦ばせ方を教えてやろうか?』
不意に話しかけると、アキラが目に見えてビクッと震えた。
屈辱と警戒心に燃える瞳が一際鮮やかで、昏い悦びが湧き上がる。
『そいつを壊したくなきゃ、素直に教わっとけ。こうなった以上、仕込んでやるのが唯一の助かる道だ。相手を良くしてやりゃ、それだけ大事にしてもらえる』
いずれ幼い弟も同じ目に合うのだと暗に語れば、アキラの瞳が絶望の色に染まった。
ゾクゾクと快感が背筋をはい上がる。
現実を把握する能力があり過ぎるのも、時に不幸だ。
自分が絶対に守ると、子供らしく強がることさえできやしない。
警備はひどく厳重だった。
脱走を試みた者がどうなったかは、想像に難くない。
やがてアキラが震える拳を握り締めながら、言った。
『よろしく……頼む』
案の定、折れた。
だが、簡単にOKなどしてやるものか。
『で? おまえは何を差し出せる?』
『……?』
『授業料を寄越せっつってんだ』
『……っ、……何が望みだ?』
『そうだな、とりあえず、今日からオレの奴隷にでもなるか』
『……!?』
『絶対服従。身体は極力、傷つけねぇ。趣味じゃねぇしな。だが、心は限界まで縛らせてもらう』
果てしなく深く、壊れるほどに。
どこまで墜ちてこられる?
幼く無力な弟のために。
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