アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
22
-
「ごめンな、魔王様…。ちょっと遅かったみたいだな…」
バタン――と後ろ手に部屋の扉を閉めるとそんな声を掛けられて、視線をそっちに向けると、そこには申し訳なさそうな顔をしたウルハがいた。
首に貼った絆創膏に違和感を感じながら、それに頭を振る。
「シグが来てくれたから大丈夫。…それにしてもどこ行ってたんだ?ハルカのとこか?」
「いや…、ちかと…じゃねェ、ちょっと出掛けてた。
…まァ、俺がいてもあンま意味なかったかもだけどなァ。俺、ミズキが意識ない時しか中入れねェし。
というか、ありがとな魔王様。
ミズキを悪く言わないでくれて」
「…ん」
そんな俺にウルハは嬉しそうに気持ちのいい笑みを浮かべて、
「今から魔界行くンだろ?
行ってらっしゃい、魔王様。
俺、ほンとあんたが魔王様でよかったと思うよ」
そう言い残して部屋の中に消えたウルハを見遣ってから、シャワー浴びたいな…なんて頭の片隅で思いつつ、俺は秋斗の部屋の扉を叩いていた。
たくさんの疑問を残したシエルの言葉を思い出しながら――
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 100