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入学式 1
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「…はー…此処にこれから通わなきゃダメな訳…?無駄にでかいし」
「んー、まぁ、此処は一応、一般の人もいるけど、お金持ちの人達が通ってたりする訳だからね。それなりの大きさではあるよ」
「…めんどい…移動とか大変じゃん…」
「最初は何処に何があるか覚えたりするのが大変かもね?移動は…もう慣れてもらうしか」
「えー…」
「ほら、行くよ?」
入学式当日。
別に、親は出席しなくても問題は無いらしいので来ていない。
だから、大きな門の前には俺と榎兄で立っている。
荷物は送っておいたから、最低限いるものが入った鞄を肩に引っ掛けて歩く。
真新しい制服も何だか着なれない。
勿論、榎兄はしっかり決まっている。
「靴を置くのは彼処だよ。たぶん、クラス表も貼り出されているかな」
「うげ…人多過ぎ」
「そりゃ、そうだよ。皆、自分のクラスを見ないとわからないだろう?」
示された靴箱のところに群がる人々を見て、思わず嫌そうな顔をした俺の頭を、榎兄は苦笑しながらぽんぽんとする。
何か周りがざわざわした。
「柊のクラスを探さないとね。教室に行っておかないとダメだから」
「あ、そっか…んー…見えん」
「いくら目が良くても此処から見えないでしょ…もうちょっと前に行ってごらん」
「うん…見、えた」
「お、何組?」
「2組」
「了解、2組ね」
クラスを確認し、靴を履き替えて、教室に向かうのだが…
「柊、そっちじゃないよ」
「え」
「2組は此方。最初だし、一緒に行こうか。行きながら、ちょっとだけ案内してあげる」
方向を間違えた俺を見て、くすくす笑う。
「…ん。ありがと」
「いいえ」
案内してもらえるのは助かる。自分より高い位置にある榎兄の顔を見上げて言うと、にこりと笑顔を向けられた。
そして、『1ー2』のプレートが掛かった教室に着いた。
「はい、柊の教室は此処」
「…迷いそう」
規模が大きい学校だから、既に迷いそうな気がしているのに、榎兄に告げられた言葉にちょっと絶望する。
「まぁ、だんだん覚えるよ。それに、まだそこまで複雑じゃないよ?」
「…マジか」
「そんな顔しない」
「…はーい」
「よし、良い子」
よしよしと頭を撫でて、榎兄は「それじゃ、僕は行くから。頑張って」と微笑して去って行った。
教室に入って、席に着く。窓際の後ろから3番目の席だった。
暇だったから、ぼーっとしていたら、周りから視線を感じた。いや、正直、榎兄と一緒にいる時からずっとなんだけど。
…まぁ、いいか。害は無いし。
そうやって暫く過ごしていると、教室に入って来た教師が「体育館に行け、入学式が始まるぞ」と言って、皆移動し始めた、らしい。
らしい、という形なのは。
「着いたよ、早瀬くん。間に合って良かった」
栗色の猫っ毛の少年がほっ、としたように言った。
「…俺のせいで、ごめん。ありがと」
本当なら、もっと早く移動していたのに、俺のせいで少し遅くなってしまった彼に、申し訳ないと思う。
「ううん、大丈夫!早く2組のとこに座ろ」
はにかむように笑った彼に促されて、2組の席に着く。
そして、入学式が始まった。
***
入学式、ってタイトルにしたのにまだ始まって無い…(*´-`)
正確には、「入学式(の日)」ですね、これ…
そして相変わらず文才無くて、すみません<(_ _*)>
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