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クラッシュ正面衝突の奇蹟
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「うっうわああ!」
僕と同じぐらいのスピードで突っ込んできた人影は吹っ飛んだけど、もちろん僕も吹っ飛んだ。
お互い全速力で走っていたのだからその分の反動もつらい。
目を回しかけたが、最大の危機に陥っていると脳が素早く反応し、脱げたヒールに手を伸ばしかけるが、頭を押さえて呻いた人影の声音に振り返る。
「いってぇ…」
「コウスケ!コウスケじゃんか!助かった!今何が起こってるの!?」
「うるせぇわめくな頭うってガンガンするんだよ!」
後頭部を押さえて唸るコウスケを無視して彼の襟首を締め上げてやった。
そんな悠長なこと言ってる場合じゃないだろうに!
軽いパニック状態の僕にぐいぐいゆさぶられ、コウスケはほとんど白目をむきかけている。面白い顔だったのでちょっと楽しくなってきた。
「だからなんでこんなにうるさいの!?なにかあったの?」
「話してやるからやめろ余計に喋れねえだろうが何笑ってんだてめぇ楽しんでんじゃねーよ!」
そういうと同時にまたどこかでガラスがたたき壊される音が響いてきた。
コウスケは舌打ちをしながら僕の腕をつかみ、また駆け出す。
コウスケの足の長さと僕の足の長さでは残念ながら多大な差が生まれるのでほとんどひきずられる形で引っ張られた。
「とりあえず走れ!走りながら説明する!」
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