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逃走経路は断たれた
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そのままどこかの部屋につながるドアの前まで連行され、タオル男はくいっと顎でドアを示す。
「ほらこの部屋だ。逝って来い」
「漢字が違う気がする…」
不安げな僕の呟きを無視して、タオル男は用事が済んだと言わんばかりに上がってきた階段を下りて行ってしまう。
つまり今の僕は完全無防備拘束皆無の状態。
逃げられるんじゃ?と希望が過るが、すぐに不可能だと気付かされる。
駄目だ。タオル男が降りて行ったということは、入口方面に彼がいるということだ。
もちろん入口は使えない。ならば窓しか逃走経路は見当たらない。
飛び降りるなんて、か弱い僕にできるわけないじゃないか。
ならば方法は一つ。
リョウヤとやらに会って話をして安全に帰るしかない。
それしか残されていないなら、覚悟を決めるしかないのか。
震える手でドアノブを握り、思いっきり押した。
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