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意外な結末論
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もちろん僕はこんな変態と同居するつもりは毛頭にない。
厄介な変態にさらなる危険要素がプラスされているのに、好き好んで首を縦に振るわけがないのだ。変態プラスカラーギャングノボス。
釣り合わないステータスを凸ピンで弾き飛ばし、僕はソファから腰をあげる。
「つまんないね。んじゃあ僕帰るから」
「待て」
リョウヤが手を伸ばして捕まえようとするが、その前にするりと身をひいた。
捨てられた子犬のまなざしで見据えられるがここで譲渡してはゲームオーバーになる気がしてやまない。
良心が痛む中、僕は出口に向かおうとする。
するとがしりと二の腕を拘束された。
「なにするんだよ。離せ!」
リョウヤだと思って口汚く叫ぶが、振り向いてみると白タオルの男だった。予想外な邪魔者に僕の瞳は丸くなる。
「なっなにすんだよあんた。あんただって僕が邪魔って言ってただろ!」
「コウスケそんなこと言ったのか?」
勘違いの怒りを灯すリョウヤに白タオル、コウスケは慌てて腕を振り回した。
「違います!んなこと言ってません!いや、ぶっちゃけな…」
言いづらそうに口ごもるコウスケだったが、黙っていてもはじまらないと高をくくって苦笑いを浮かべた。
「俺リョウヤさんになんも言われずにお前拉致ってこいって言われたんだよね。そんで適当に部下の奴に理由尋ねられて「リョウヤさんが一目ぼれした女」ってことで全員納得させたんだ」
コウスケの説明は間違っていない。理由がないよりあったほうが動きやすいだろうし俄然やる気もでてくる。だが、重大で見逃せない説明ポイントが存在しており、僕の冷や汗を誘う。
「女…?女だって言ったのか!」
「すまねえ!でも男だとは思わねえだろ?だからさ」
リーダーでありながら崇拝の対象者であるリョウヤが女を無理やり攫って、振られて逃げられてしまったら威厳は朽ちてしまう。
だからコウスケは僕に逃げられてはいけないのだ。
「はあ?僕には関係のない身内問題だね」
「いや。お前にも結構問題あるぞ」
コウスケが少々意地の悪い笑みを向けてきた。嫌な予感しかない。
「お前を建物の前に引っ張り出したとき、敵対チームの構成員がまぎれていたらしくてな。もちろんリョウヤさんの弱点だって巷で話題をかっさらってる」
「…え、つまり何僕、狙われてる?」
このまま外に出て帰ろうとすれば構成員とやらに危害が加えられること間違いなし。しかもカツラやメイクを落とす場所は提供されなさそうだ。
開き直って出て行っては、僕の崇拝的趣味が公になってしまう!
八方塞がりな僕に、リョウヤはとても甘い口説き文句を囁いてくる。
「俺がお前を守る。少なくとも敵対してるチーム潰すまで、我慢してくれ。こっちとしては永遠就職がいいんだが」
それは勘弁してくれ!ラッキー?なことに現在は夏休みという長期休みだ。ずっと家に帰らなくても怪しまれない休みでもある。
僕にはろくな結果しか待ち構えていないようだ。
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