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Coffee1
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「立花、今週お前、学校休んでなかった?」
「・・んーまぁ、なんかだるくて」
立花はパイプイスに寄りかかり携帯をいじりながら、恩田の問いに答えた。
「どっか具合悪かったのか」
「...別に、」
思い当たるのは、金曜の夜の出来事だ。なんかあれ以来、体調がすぐれなくて3日間学校を休んでいた。
「..ただのサボり」
「そうか」
恩田は、保健室にあるポットでインスタントコーヒーを淹れている。
「あ!センセイ、オレの分も!」
「お前なぁ、喫茶店じゃねぇぞ。ったく」
恩田は文句を言いながらも、オレの前にコーヒーを置いてくれた。
コーヒーのいい香りが周りに漂う。
「さんきゅー」
オレは、フーフーと少し冷ましてからカップに口をつけた。
「立花、」
後ろにいた恩田が、立花のうなじに軽く触れた。
ビクッ!
「なにっ、急に...」
恩田は、立花の襟の中に指を入れ、中からシルバーのチェーンを取り出した。
「コレ、してるんだ?」
「ばっ、急に手ぇ突っ込むなよ!セクハラっ」
この前センセイから渡されたネックレスをしていることに気づかれ、急に恥ずかしくなる。
「お前によく似合ってるよ」
恩田は、立花の胸元のリングを手で玩びながら笑った。
「そういえば、あれ以来、お前ああいう店に出入りしてねえだろうなぁ?」
恩田は、立花の顔を覗き込み険しい顔で尋ねる。
本当のことなんか言えるはずもなく、平然とした表情でオレはウソを答えた。
「ん?あ、行ってない、全然」
「ホントか?」
恩田が疑わしい目つきでオレを見る。
信用ねぇな、オレ。
「最近、部活に行ってるから行く暇ねぇんだよ」
もっともらしい理由を述べる。
「ああ、確かにお前最近ちょくちょく来てるな。
よく、小野寺と一緒にいるよな」
顧問だから、見ていて分かるのか。
でもセンセイは、オレと先輩の関係とか知らないってか興味ないんじゃね。
「...先輩には、お世話になってるんで..」
「へぇ...?」
「なんか小野寺先輩とセンセイって似てるかも。女ったらしなトコとか?」
ハハッと立花は声を上げて笑う。
キーンコーンカーンコーン
その時、昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴り響いた。
「やべ、チャイムだ。オレそろそろ教室戻るわ」
コーヒーの残りをグイッと飲み干し、立ち上がった。
「コーヒーごちそーさん、センセー」
センセイの顔を見てお礼を言うと、センセイはニヤッと笑みを浮かべた。
「確かに似てるトコあるかもなぁ。
...お前に手を出してるトコとかな?」
「.....は? センセ、何言って、」
授業遅れるぞ、と言われ保健室から追い出されドアをピシャッと閉められた。
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