アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
先生にしかできないこと
-
「アイツも高校生になる前に、七段から
引導を渡されたらしい。
辛かったろうな、本人も親も」
「でも23歳まではって」
「親だから言える事あるんじゃないのか?
ズルズル期待を持たせるより
もっと早いうちに別の方向性をって。
実際中学くらいでプロにならないとその先が……な」
俺が想像するより厳しくて
辛いものだとはなんとなく分かったけど
だからってそれを他人にぶつける理由にはならない。
――そう思ってるのが伝わったのか
先生は続けて言った。
「盤を挟んで色々話したんだ。
細かい内容に関しては個人情報になるし、
お前にも言うつもりは無いけど。
ただ察してやれとしか言えないかな。
アイツ性根は曲がっちゃいないよ」
うん、それは最近になって分かった。
そっか……
ずっとくすぶっていた感情を同じ
道を辿った人に……人だからこそ
腹を割って話せたのかもしれない。
だとしたらこれは先生にしか出来ない事だったんだと思う。
「まぁそんなこんなで今後も時々、打つ事にした」
凄く楽しそうに言う先生は初めて見た。
何か少しだけ羨ましく感じた。
それが何に対してだったかは憶えてないけど。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 187