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き、奇遇ですねっ!
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放課後、新しく貰った部活の備品を持って
グランドに向かっていると旧校舎から
見知った人物が出てくるのを見かけた。
(あれは……白刀田先輩?)
普段ここは生徒は立ち入り禁止はずだけど、
と思ったところで、あ、だからかとあることを思い出した。
「先輩」
こんなトコで誰かに会うとは思ってなかったようで、
ビックリした顔をされてしまった。
「……何だ、お前かよ」
「スミマセン!」
舌打ちをされてヤバイと慌てて謝ったが
その表情は依然渋く、つい気軽に声を
掛けてしまった事を猛省した所で時既に遅し。
委縮してしまった俺は次の言葉が続かず、
そのまま暫くの無言状態が続く。
(……どうしよう)
一応、声を掛けてしまった以上
自分から何か喋らなきゃとの使命感と、
少しだけ湧き上がっているこの好奇心から
俺はようやく意を決してそれを口にすることが出来た。
「先輩、監督と囲碁打ってたんですか?」
ああ?との低い声に一瞬たじろいだが、
振り向いた表情からは声色に反して険は無く、
ただ酷く驚いたという感じだった。
「……監督が言ったのか?」
「あ、その……なんか成り行きで」
「ふーん、アイツがねぇ。何でお前なんかに」
口説かれている流れでと言ったら
先輩はどんな顔をするだろう。
……想像するだけで怖い。
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