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果たし状か否か
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「なぁ、知ってた?岩倉」
「えー?なになに?」
「日野の奴、三年の先輩から手紙貰ってたらしいぞ」
「え?」
ついに来てしまったか?
「……果たし状が?」
どうしよう、と慌てる俺に
呆れた様な友人の一言。
「岩倉、何言ってんの?相手女子だよ」
「ねぇトシ、聞いたよ?手紙貰ったんだって?」
グランドに向かうトシを待ち伏せして平然を装いながら真相を探る。
「……チッ、
どっから聞きつけてきやがった」
不機嫌そうに言われることは分かってる。
それが照れ隠しなんかじゃないって事も。
「三年の先輩って本当?」
でも引かないよ。
俺にとって、とてもうやむやに
出来るモノじゃないから。
「誰?何て書いてあったの?」
「知らねーよ」
「知らないって読んだんだろ?」
「読んでねーって!」
それは段々キレた声に変わっていく。
これが昔ならきっと殴られていたかもしれない。
例えそうだとして――それでも俺は来たと思う。
……トシ、
お前はいてもたってもいられない
衝動に駆られた事ないの?
「何で?」
「はぁ!?別に良いだろ、
どっちにしろお前には関係ねー話だ。
ヘラヘラ笑ってからかいに来んな、どけ」
しつこく食い下がる俺に
トシは遂にドスの利いた声で
払い除け行ってしまった。
「俺が――笑ってるだって?」
お前にはそう見えてるんだ?
笑えるわけないじゃないか。
俺にとってお前に関わること全部
大事過ぎておかしくなりそうなのに。
「冬至……っ」
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