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ハンバーグを作ろう-1
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「望夢、居ますか?」
「居るよ~っ!」
いつも寮の仕事に追われて忙しくしている晩里が昼間に俺の部屋にやって来るなんて珍しい。
「どしたの?」
「急に貴方の顔が見たくなりました」
ベッドの縁に腰掛けた俺の太股に顔を埋めた晩里の両腕が背後に回る。
ズボンの腰の辺りから指先がスルリと侵入して、お尻の頬っぺを擽る。
「やだっ、晩里。まだ夜じゃないのに」
真っ昼間からそういう事をするのは背徳的というかとにかく何だか決まりが悪いのだ。
晩里もいつもなら昼間からこんな事しない。そもそも昼間に俺の部屋に来たりしない。
「失礼しました」
意外にも晩里が潔く退いてしまったから今度は俺が物足りない気分になってしまう。
もうちょい粘ってくれても良かったかも!?
「晩里、何かあった?」
「何にもありませんよ。ちょっと疲れただけです」
「そっか」
そりゃあ毎日毎日、寮生の世話に追われてたら疲れるよね。
たまには俺が労ってあげないと。
「夕飯の支度一緒にやろうか?」
「実は、まだ買い物にも行ってないのですよ」
「じゃあ今日の買い物は俺が付いてってあげる」
「望夢は優しい子ですね」
顔を上げた晩里は目を細めてニコニコと微笑んだ。
……何かいつもの晩里と違う?
いつもはこんなに甘えて来ないし、何か変だよ。
何だろう?
こないだ健康診断受けたって言ってたから、まさか難しい病気でも見つかったんだったりして!?
「電球の予備を切らしていてホームセンターに買いに行くので荷物持ちをお願いできますか」
「いいよ~」
電球持つぐらいならお安いご用だ。
今日は俺が晩里を労る日!
「では行きましょうか」
晩里の車が向かったホームセンターは、いつも買い物に行くショッピングモールに隣接していて俺も時々利用している所だった。
「晩里~、これ買って~」
晩里が電球を見ている間、通路を挟んだ所にある文房具売り場をブラブラしていた。
インクにお菓子の香りが付いているボールペンが欲しくて、晩里のカゴに一緒に入れたら即座に取り出されてしまった。
「駄目です」
「え~っ」
ボールペン1本ぐらいいいじゃん。
電球そんなにいっぱい買ってるんだからバレないって。
「これは寮の予算で会計するのですよ。個人的な買い物は認められません」
ボールペンを売り場に戻すのかと思ったら、晩里はそのままレジへと向かった。
「これだけ別会計でお願いします」
ボールペンをレジの人に渡すと、寮費専用のファスナーバッグではなく自分のお財布から500円玉を取り出した。
「はい」
「え?」
「今日、仕事を手伝って貰うお駄賃です」
「え、あ、ありがと!」
ボールペンが欲しかったのもあるけど、晩里からプレゼントを貰ったというのが嬉しくて、袋をギュッと握り締めた。
好きな人から物を貰うってこんなに嬉しいんだ。
今までに晩里がくれたのは決まって食べ物だった。
俺の食い意地が張っているのがいけないんだけど、形として残る物を貰うってこんなにも嬉しいものなんだ。
今日は晩里の手伝いをめっちゃ頑張る!!
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