アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
グレンの話 7
-
バルガー家に関する情報がある程度揃って来た。
あとは逮捕状を待つのみだったある日の事。
用事のついでにエディの家の前を通る。
"ガンッ"
「〜っ…」
「…た…けて……」
それは微かな音だった。
しかし、確かに聞こえて来たのだ。
俺はすぐにケータイを取り出し部下を呼び出す。
「分かりました。すぐに逮捕状を持ってそちらに向かいます。分かっているとは思いますがそれまでは勝手に動かないで下さいね。」
「…あぁ。」
俺は電話を切る。
動くなとは言われたが、心配で今にも飛び込んでしまいそうだ。
「やめて…ママ………」
弱々しく掠れた声が耳に入る。
助けなければならない。
今すぐに目の前の扉を開くべきか、
警察として、仲間が来るのを待つべきか。
いつもの俺なら後者を選ぶだろう。
ただあの子が、エディが酷く痛めつけられている所を想像すれば自然に身体が動いていた。
「何をしている!!」
鍵の空いていた玄関の扉を勢いよく開けるとそこは俺の想像をはるかに超えていた。
「エディ…?」
エディは頭から血を流し、意識を失い横たわっている。
ベルはそんなエディに拳を振り上げたまま、俺の方へ視線を向ける。
「何をしている…」
低い声で問い詰めればベルは視線をそらし今更隠すように拳を降ろす。
「私は…何もしてないわ、この子が転んで…それで勝手に…」
こんな状態でまだ嘘をつくのか。
今すぐにこの女を殴ってやりたかった。
でも今はそんな事をしている暇はない。
俺はエディの側へより傷の具合を見る。
血が多く出ている割に傷はあまり深くはなさそうだ。
「…良かった」
俺は急いで止血をすると救急車を呼んだ。
「あなたっ…勝手に人の家に入るなんて、警察呼ぶわよっ!」
酷く混乱しているらしいベルは俺が誰だか思い出せないらしい。
「俺が警察だ。ベル・バルガー、貴方を殺人未遂の現行犯で逮捕する。」
「どうして…どうして私が…」
彼女は狂った様にブツブツと唱えていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 151