アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-気持ち-
-
「あー!!お前らどこいってたんだよー!!」
浜辺に戻ってきた俺と紫音を亜希が迎えに来る。
「そろそろ昼の時間なのにお前らだけ戻ってこねえから心配してたんだぞ?」
「ごめん。俺があっちの岩場を見に行きたいって言って、奏汰に付き合ってもらってたんだ」
「岩場ぁ?何かあったのかよ」
「うん。カニがいた。小さいやつだけど」
俺カニ好きなんだよね、といいながら少し微笑む紫音。すぐ側からは、女子の黄色い声が上がる。
「…奏汰、どうした?具合でも悪いか?」
亜希が俺の顔を覗き込んでくる。
「な、何でもねえよ!?腹減って力が出ねえ~てきな!」
「なんだそりゃ。今から皆で昼飯買いに行くからお前らも行こうぜ!!!」
「おう!!!!」
明らかに不自然な笑み浮かべてるよな、俺。
紫音に告白………をされてから、どうやって浜辺まで戻ってきたのかわからない。
☆-回想-
「え…」
何だこれ。心臓うるさい。
紫音が…俺の事好き…?
「…ごめんね。言うつもりは無かったんだけど…、気持ち…悪いよね」
なんで。なんでそんな顔して笑うんだよ。
…くそ、言葉が出てこねえ。
「…何で、俺の事…」
やっと出てきた言葉は、そんな事だった。
「…奏汰はさ、俺の世界を変えてくれた。最初はただの馬鹿な人としてしか思ってなかったけど」
「…微妙にディスってるだろそれ」
「本当にそう思ってたから。…でもね、俺の噂とかに惑わされないで真っ直ぐに俺を見てくれる奏汰に、だんだん惹かれていった。俺の音楽も好きって言ってくれて本当に嬉しかったんだ」
すげー恥ずかしい。自分から聞いたくせに。
「…もう奏汰にはあまり関わらないようにするから」
「…え…」
「さ、戻ろう」
「待っ、て…」
俺の声も虚しく、紫音は浜辺に向かって泳ぎだした。
☆
「…」
何であの時、何も言えなかったんだ。
正直、びっくりはした。でも…嫌じゃなかった。
…俺は、紫音のことどう思ってるんだろう。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
84 / 115