アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
トイレ
-
吐きそうになりながら、住宅街を歩いていると、今までの公園より少し大きめな公園が現れた。
現れたと思うくらいには、突然そこにあったから、俺は中のベンチででも少し休もうと考えた。
時計を見ると、11時少し過ぎたくらい。終電にはまだまだ間に合う。
それにしても、明日が日曜日で本当に良かった。
親の金で大学行ってるのに、合コンの酒のせいでサボるなんて、申し訳ない。
というか、授業ついていけなくなる。俺、ナリヤ以外友達あんまりいないから、ナリヤと被ってない授業は正直休むとヤバい。
フラフラしながら、公園に入って、ベンチを探した。今、俺は間違いなく顔が赤い酔っ払いに見えるはず。
静かな公園だ。
カップルとかがいても良さそうだが、今夜は先客はいなかった。
もしかしたら、普段はいるのかもしれない。
でも、今日はいなくてラッキー。
こんな明らかに酔っ払いな姿を見られなくて済む。
そして、公園の不気味なトイレの前を通り過ぎようとした時、事件は起きた___
「んぐッ!!」
そう後ろから物凄い強さで口を塞がれて、さらには両腕を後ろでで拘束されてしまったのである。その間、わずか五秒。
「んんっ!んんんんん!(おいっ!ふざけんな!)」
誰だか知らねーけど。
何やってくれとんじゃ。
酔っ払ってたし、とりあえず、暴れたんだけど、力入んないし、口塞がれてるし、俺はほとんど抵抗という抵抗が出来ないまま、どこか後ろの方に引きずられていった。
「ん、ん、んッ!(は、な、せッ!)」
ジタバタと足を動かしてもびくともしない。
とりあえず、力が凄かった。
そのまま誰もいないトイレに引きずられた。
トイレって分かったのは、目の前が明るくなったからだ。
俺の後ろにいるやつは鼻息だけ荒いのはわかったが、声を発していない。
あ。
もしかして、通り魔……とか?
それは、ヤバいッ!
俺は持てる力を振り絞って、身をよじり、足をばたつかせ、頭を振りまくった。
流石に押さえつけるのが大変になったのか、拘束が緩んだところを、一気に力を入れて脱出しようとした時、俺は膝からガクリと崩れ落ちた。
なんだ、これ、!
足に力が入らない。
というか、全身に力入んないし、ヤバい……眠くなってきた。
なんでこんな肝心な時に、酔いが回ってくるのかな。これ、寝たらおしまいなのに。
でも、俺は再び後ろ手を拘束された時には、意識がほとんどなかった。
ああ、俺、死ぬんだ。
こんな住宅街にあるトイレの中で。
酔っ払ったまま。
眠るように。
やっぱり、刺されると痛いのかな……
視界が暗くなる直前、大きな音がして、何故かガクの声が聞こえた気がした。
これが最期か……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 36