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なんでだろう
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「ねえ、君たち、ユキしらない?」
僕が話しかけたのは、いかにも仲良さそうな、そして、間違いなく年下の女の子たち。
顔を赤くして、キャッキャッ言っているが、いつもなら流せるのに、今はイライラする。
この子たちは、ユキの居場所を知っているのか。
それとも、知らないのか。
僕はニコニコとその子たちが落ち着くのを待っていたが、内心正常ではいられなかった。
ユキは、僕といるのが嫌になってどこかに行ってしまったのか。
それともどこか違うところに行ったのか。
なぜ、僕の前に現れないのか。
疑問しか浮かばない。
女の子たちは相変わらず僕の質問には答えず、何か違うことをたくさん言っている。
僕はそれらをすべて受け流しているから、一切内容が入ってこない。
すると、後ろからトントンと僕の肩を叩く人物がいた。
それはまたしても女の子だった。
でも、そこら辺の女の子ではない。
「荒木さん、あっちで中川さんが呼んでました」
僕の前にいるキャッキャッ言っている女の子たちは、僕とこの子との会話を注意深くきいている。
「そっか。ありがとう。ごめん、案内してもらっていい?」
「わかりました」
「じゃあ、ごめんね。僕、行くから」
後ろで女の子達のため息が聞こえるけど、僕は気にせずに歩き出した。
「どこで、実が呼んでるって?」
「はい。中川さんは、呼んでません。助け舟のつもりでしたが、余計でしたか?」
この子、本当にユキのこと好きなんだな…。
別に僕のことを助けてくれたわけではないのだろう。
この子もユキがいないことに気付いている。
きっと、この子は、僕にユキを探してほしいんだ。
「ありがとう。助かったよ」
「どういたしまして。永沢くん、いないんです」
「知ってる」
「荒木さん、永沢くん探し出してください。私……嫌な予感しかしないんです」
「うん。多分、カナコちゃんより、僕の方がしてると思うよ。ユキは何とか探すから、僕がいなくても騒がれないように、女の子達どうにかしてくれない?」
ちょっと無理なお願いもしてみた。
「……分かりました。行ってください」
「ありがとう」
カナコちゃんって、ユキのどんなところが好きだなんだろう。
正直、ユキとカナコちゃんの接点が見つからない。どこであったのだろうか。
サークルだけでカナコちゃんは、ユキのことを好きになったのだろうか。
なんで、俺はこんなにも、カナコちゃんとユキの関係が気になるのだろう___
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