アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
夏の章二 清明(せいめい)
-
「あんた、面倒見がいいなぁ…ホンマに友達か?」
「世話やいたら、何でできてると思うねん。ホンマにただの友達かも知れへんやん」
「じゃ、してへんのか?」
「あ、さっき風呂場で…」
「えーっ、ちょっともう、家に仕事とセックスは持ち込まんといてって言うたやんか」
(いやいや、セックスはしてへんで)
「そりゃ、おとんの話やろ? 俺、関係ないやん」
「一緒や。まったく、うちの男共は。まぁ、男の子が産まれた時点で諦めてたけどな…、早生、水」
「…」
会話が途切れ、可児は言われた通りに用意をする。
「…やっぱ、血ぃかな?」
「半分はおかんの血ぃや。間違えんなや。うちが言うてんのは、男の子はエッチのことしか考えてへんってことやで」
「せやな…ん」
可児が、ほら、と母親の前にグラスを差し出しすと、琥珀色の液体に、日出子が食いついた。
「何や、これ。麦茶?」
「遊命のおかんが作った梅酒やて」
「『ゆめ』って言うんや。かわいい名前やな」
日出子はニヤニヤと笑いながら、グラスに口をつけた。
「性格はかわいないけど」
「ふーん。で、何で薄めたん?」
「は?」
「梅酒はロックやろ~。ほら、足して」
日出子は睨みを効かせ、可児にグイッとグラスを差し出した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 115