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突然押し掛けた倫祢にも迷惑そうな顔ひとつ見せずに敬典は笑顔で受け入れてくれた。
デートを放っぽり出した上に他の男の家に押し掛けて何をしているんだと言われても仕方ない。
これがバレたら破局に向かいつつある下り坂がウォータースライダーに変化すること間違いなしだ。
そもそも御堂とこの先いい関係に戻れる自信がひとつもないのだけど。
(御堂のバカ)
ここには居ない相手に悪態をつくことで申し訳ないという気持ちの欠片を吹き飛ばした。
何があったのか聞こうともせず、敬典はテレビで見ていたサッカーの試合に集中してしまったので倫祢もソファーに引っくり返って一緒にピッチの動きを眺める。
愚痴を聞いて貰う気満々で来た筈だったが何となく御堂の話を持ち込む気になれなくなって、敬典と一緒になって選手を目で追った。
サッカーが終わってCMに切り替わると倫祢は敬典に向き直った。
「敬典、告解していい?」
「はい?」
「俺の恋人、男なんだよね。っていうより元恋人に限りなく近いんだけど」
何で今このタイミングでこんな事言おうと思ったのか自分でもよく分からない。
「引く?」
「いえ、そういう事に偏見はありませんから。で、告解は?」
「今のが告解。あー、すっきりした。酒飲も、酒」
常日頃から突発的な行動で周りを振り回す倫祢だったが、今日の倫祢の行動はいつもに増して脈絡がない。
「飲もうよ」
「お酒ですか……」
今まで幾度ともなく夕食を共にしてきたが、敬典は何故か酒を飲むのを非常に嫌がる。
体質的に飲めないという事もなく、帰り道に車の運転があるわけでもない。
信仰上の理由というのも違う。
現にカトリックを初めとする幾つかの宗派においてワインはキリストの血として礼拝の中で供されるぐらいだ。
(一体何なんだろうな)
今日こそはその秘密を絶対に暴いて見せる。
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