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タウン情報誌などが入れられたマガジンラックの一番手前に入っているのは、敬典が属しているカトリックではなく他宗派の教会案内だった。
透明のクリアファイルに挟んであるパンフレットの間から白いプリントのようなものがはみ出している。
パンフレットの表紙に載っている教会は倫祢たちの通っている聖堂よりいくぶん小ぶりなものだ。
何でこんなものがカトリック信徒である敬典の家にあるのか。
この教会が宣伝として各家庭に配布しているのかもしれないが、それをわざわざクリアファイルに挟んで保管していることに違和感を覚えた。
それにあの白い紙は何だろうか。
そこに書かれている内容は切れ切れにしか見えないが、全部見ることで倫祢の違和感を解決してくれるような気がした。
(気になる!)
「敬典ー」
「何ですか?」
「俺さー、フィレオフィッシュ食べたくなっちゃった」
「今ですか?」
「うん、今」
敬典につられて時計に目をやると、夕飯にはまだ早い微妙な時間帯だ。
「わかりました。じゃあ一緒に食べに行きますか?」
「ここで食べる」
今テレビでやっている映画の結末が見たいからと言い訳をし敬典にお札を握らせて、何とか外に出すことに成功した。
(さて)
玄関のカギが閉まるのを確認してからいそいそと例のクリアファイルに手を伸ばす。
四旬節だというのに盗み見という悪さをしてもいいのか、というのはこの際置いておいて中からプリントを引っ張りだした。
「何だこれ?」
プリントに書かれていた内容は倫祢の想像を遥かに超えていた。
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