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「どう?体はキツくない?」
「…え?何がですか?」
突然の問いに俺はハテナしか浮かばなかった
言っている意味が分からず、タオルで拭いていた手を止める
「何って、セックスだよ。セックス」
「えッ!?!?!?!?」
実際の会話ではあまり聞く事の無い単語が俺の頭をそれで埋めつくす
驚き過ぎて瞬き一つ出来ないでいた
「もうそろそろしてるでしょ?」
顔色を変えずに平然と聞いてくる桐島さん
きっとさっきの変な事を考えていた時よりも顔は真っ赤な筈だ
「え…、まさかしてない…?」
俺が無言のままでいるとさっきまでまな板の上で野菜を切っていた音が突然止まる
こちらを見ている視線に気が付き小さく頷いた
「…嘘だろ……」
驚いた表情で固まってしまった桐島さんに俺はどうしていいか分からず、取り敢えずその顔の前で手を振る
「アイツが…まだ手出してない…」
ポツリと小さく放たれた言葉で俺は手の動きを止める
「…桐島さん?」
「陽くん。偶には夏樹褒めてやってね」
静かに微笑み再び野菜を切り始めた
さっきから話が掴めない
「え、何でですか」
「だって、アイツ寄って来る奴見境なく抱いてた…あ、いやでもだいぶ昔の事だから!!」
焦りって俺の様子を伺いながら告げてくる言葉は俺の胸に刺さる
格好良いしモテていたのは見たら分かる。
だから、そう言う事は絶対経験していると思っていた…
でも…、やっぱり言葉にされてしまえば落ち込んでしまう
「だから、陽くんにまだ手出してないって聞いて
相当大事にされてるなって素直に思ったよ」
切り終わった野菜をボウルに入れた桐島さんは、俺の目をしっかりと見てそう言ってくれた
桐島さんの言葉を聞いて俺は今の先生を信じようと思った
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