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王子の指づかいはがむしゃらで、テクニックも何もあったものではないが、それでも場所が場所だけに油断はならなかった。
遅かれ早かれ、淫らな生理現象が発動するだろう。
大佐にとって唯一の救いといえば、タオルで腰を隠していたことぐらいである。
「(やれやれ、この子の助言がこんな所で役に立つとはな)」
思わず肩をすくめてしまう。
すると、ある重要なことに気がついた。
「(待てよ? ここで『まいった』と一声かければ済む話じゃないか)」
なにも高らかに笑う必要はなかったのだ。
「(そうかそうか。私としたことがウカツだったな)」
大佐は気をとり直すと、フッと口元をほころばせた。
そして、今も股ぐらでせっせと励んでいる王子の亜麻色の髪をゆっくりと撫ではじめる。
「王子様、降参です」
すると「え?」という意外そうな声とともに少年が顔を上げた。
「降参? うそでしょ?」
「参りました」
「だって全然効いてる感じじゃなかったもん!」
王子様は少しだけ声を荒げた。
手加減されたと思ったのだろう。
しかし大佐は首を横に振った。
「君が今攻めているポイントは、まさに私の核心なんだ。城で例えるなら本丸だよ」
「本丸......?」
王子様は訝しげにキュッと眉を寄せると、すぐに手元を確かめた。すると。
「あ! わっ、きゃあっ!」
一目でとんでもない場所だと分かったのか、恥ずかしそうに両手で顔を隠してしまった。
大佐は、王子が見せてくれるそんな仕草が好きだった。
抱きしめようとしたが、そのままおずおずと後退をはじめてしまったので、そうはさせまいと腕を引く。
「ご、ごめんなさい......ココ、痛くなかった?」
「ちっとも」
「ホントに? 僕、小さい時、椅子の角にココをぶつけたことがあるの。あの時はすごく泣いちゃった」
それはさぞかし辛かっただろう。
想像しただけで目眩がしそうだ......。
大佐は王子を胸に抱き締めると「大丈夫だよ」と伝えるようにポンポンと優しく背中を叩いた。
少年はそれに応えて、小さくコクリと頷いた。
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