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3章(7)
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午後になって館に戻ると、ふたたび悪夢が始まった。
湿った服のまま帰ってきたリノルは、部屋の戸棚に常備されていた、白い薄手のガウンに着替えた。
そしてもとの服は窓辺に吊るしておいたのだが、リノルがほんの数分部屋をあけた隙に、この服が消えてしまった。
そしてどこにも見つからなかった。
男が呼びにきた。おまえのために昼食を遅らせたのだから早く来い、と言う。
リノルはしかたなくガウンのままで食卓についた。
真昼間だというのに、男は場所かまわずリノルを引き寄せ、襟元や裾の合わせ目から手をつっこんできた。
食事の最中ですら放っておいてもらえなかった。
おかしなことに、緊張と嫌悪のために昨夜はまったく不能だったリノルの身体が、今日になってにわかに反応し始めた。
一種の慣れか、あるいは多少気がゆるんだためかもしれない。
さもなければ、あの馬たちとの戯れが、リノルに何かしらの影響を与えたのだ。
望まない快感はおぞましく、心と裏腹にわきあがる昂ぶりは惨めだった。
身体が自分のものではなくなったように薄気味悪い。
その器官だけが身体からすっぱりと切り離されて男の手の中でひくひくと脈打っているようだ。
男は得意になり、リノルのたわいなさを嘲笑った。
「なんだい、おぼっちゃん、こんなになって。お上品な顔して、あんがい好きなんじゃないのかい?」
給仕係が出入りしていても一向に意に介さず、かえって大声でそんなことを言う。
給仕たちも主人のこんな遊び方には慣れているらしく、リノルの狼狽ぶりを横目で見ながらしのび笑っているようなところがある。
そのうち男は丸太のような、強靭な腕でリノルを押さえつけ、給仕たちの前でガウンの裾をまくりあげて、中身を披露させようとした。
リノルは、これには総力を結集して抵抗した。
羞恥などというなまやさしいものではない。
いわば自分がまがりなりにも意志を持った個人として扱われるか、それとも奴隷になりさがるのかという、瀬戸際をかけた闘争である。
もともと男のやり方には、どこまでが秘め事でどこからが略取ともつかない、曖昧なところがあった。
どうかすると底なしのサディズムに陥りそうな危うさがある。
リノルは情人から被虐者の地位に落とされるのを、なんとしても食い止めようとしたのだ。
「こいつはまだ女も知らないというんだからな!」
男は、わざと廊下まで聞こえるような大声で言う。
「ムスコがちょうど豚の赤ん坊みたいな色をしてるもんだから、恥ずかしくて人に見せられないとさ!」
リノルは真っ赤になって唇をわなわなと震わせた。
でたらめを言われたならまだしも、事実を含んでいるから始末が悪い。
リノルがなにがなんでもガウンの裾を押さえているので、男は、無防備になった上半身に手を伸ばし、薄い布の上から胸の小さな突起をぐりぐりといじった。
「下がだめなら乳でも見せろ。どれ、なめてやろうか」
「あ……あ、やめてください……!」
「へっ、女じゃあるまいし、何を出し惜しみしていやがる?」
男はリノルをテーブルの上に仰向けに押さえつけると、上からのしかかって犯す真似をした。
げらげら笑いながら、密着させた腰を前後に揺する。
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