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欠けてゆく〔2〕#兄
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”受け入れる”という機能を持たない後孔に、大きな塊が無理やり押し込まれる。
体を裂かれるような痛烈な痛みに襲われ、瞬時に全身が強張った。強制的な拡張に耐えかねた皮膚から新鮮な赤が滲みだす。人間、痛みの限界を超えると感覚を失うらしい。
1/3程埋まったところで一度動きが止まった。
肺を伸縮させ、不足した酸素を必死に取り込む。
暫くしない内に、わずかに力が抜けた瞬間を狙って、異物が容赦なく根元まで押し進められた。
その衝撃に大量の空気が声帯を通る。
しかしそれが声に成る事はなく、ザラザラとした風味だけを汲み取ってそのまま漏れるように抜けていった。
目の前の弟が口を動かして何かを発しているが、その言葉が上手く聞き取れず、ただ涙だけが流れ落ちる。音の無い世界がこんなにも恐ろしいとは思いもしなかった。
下腹部を圧迫している物が再び動き出す。
迫り来る排泄感と吐き気。
自分の意思に反して身体を激しく揺さぶられ、1個ずつ、段々と感覚が薄れていく。
最後まで残ったのは
恐怖と悲しみだった。
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