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「…おはよう」
暖かいカフェオレの匂いにつられて寝惚け眼のままリビングに降りてくる
「おはよう、ゆき」
「今日の朝ごはんは…?ふぁぁ…」
「今日はエッグベネディクトとサラダとオニオンスープ
それと食後にはイチゴのヨーグルだよ」
「やった」
「ゆきは本当に朝が弱いね、ご飯だってゆきが作った方が美味しいのに」
ゆきは1ヶ月くらい前からうちに居候をしている
「いーの。先輩が作る卵料理は最高なんだから
それに僕朝は…ふぁぁ、ダメなんだよねぇ…」
ゆきは会社の後輩で1ヶ月前に突然「アパートが住民の火の不始末で焼けたので新しい家が見つかるまで止めてくれ」とうちに転がり込んできた
「ほら、もう出来てるから早く顔洗ってきて」
「はぁい」
俺とゆきは部所もフロアも違って特に接点もなく元々面識もなかった
ただある日ゆきと仲の良かった俺の後輩が部所ごとの飲み会になぜかゆきを連れてきた
別に堅苦しい飲み会という訳でもなかったのでやいのやいの言いながらお開きになるまで結局ゆきはいた
その瞬間まで俺とゆきには名前を付けるほどの関係はなかった
だけどゆきは
「セーンパイ、この後2人だけで二次会しません?」
良くわからないやつだと思った
会社での俺は"優しいけど面白くは無い人"だった
だから何人かで食事に誘われて奢らされたことも何回もある
別に給料はそれなりに貰っているし笑って相槌を打つ程度、会社でケチくさいだの金貰ってるくせにだの影で言われる位なら素直に誘いに乗って金を出して仕事で言う事をきかせる方が別段楽だった
だから"2人だけで"という誘いをしてくるゆきが面白くも不思議だった
「あぁ、別に私は構わないが君は私でいいのかい?」
するとゆきは先輩と話してみたかったんだよって友達に言うみたいに話すから何だか面白い奴だなって結局三次会まで行った記憶はそう昔の事ではない
それから俺とゆきは会社の上司と部下という事とは全く別事のように仲良くなった
…仲良くなったというのは語弊があるかもしれない
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