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「海月、着いたよ」
「ん……」
目が覚めて、一気に現実に引き戻された感覚になった。先ほどまでの事を思い出して、心が苦しくなってくる。
不安そうな顔をしていたのか、時雨が優しく微笑んで頭を撫でてくれた。
時雨の家に入ると、いつものあまいかおりが鼻腔をくすぐった。
「今日は親父が出掛けてるからもう店閉めてるんだ。海月お腹すいてる?何か作るよ」
ふるふると首を振った。時雨の優しさに涙が出そうになった。
時雨があまりにも綺麗でまぶしくて、汚い自分が惨めに思えた。
「海月、俺に話してくれないかな……?」
「え……」
「何かあったんでしょ?俺に話してよ。海月の力になりたいんだ」
あ……
涙が出る
と、思った。
その時にはもう遅かった。
俺はボロボロ泣いてその場に崩れ落ちてしまった。
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