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「そっか」
「…ぇ」
「ごめん、なんでもない」
予想していた言葉とは全く違う答えが返ってきた。てっきり言い返してきて喧嘩になると思ったのに…。
もしかして、神奈を傷つけたんだろうか…。
また無言の時間が続く。
なんだろう、胸の奥がモヤモヤする。
隠し事をしているからなのか、神奈を傷つけてしまったという罪悪感なのか…凄く居心地が悪い。
「杏奈」
「な、なに」
「ここの問題教えて」
「ぇ…あ、うん」
神奈はいつも通りで、分からない問題を聞いて来る。俺は教えるために神奈のところに行った。
神奈はそれから昨日の事に触れてこなくなった。
ご飯を食べて風呂に入ってテレビを見て
全くいつもと変わらない。気にしてるのは俺だけなのか?俺も気にしないようにすればいいんだろうか…。
「杏奈、寝るよ」
「あ、うん」
いまどき、高校生にもなって兄弟と同じ時間に
寝るん奴がいるんだろうか。と毎日思うが俺たちにとっては当たり前のことで、特に気にせず神奈について行く。
部屋について電気を消して俺たちは自分のベットに入る。静かでうとうとしそうになっていた時に神奈が話しかけてきた。
「足、もう大丈夫になった?」
「あー、あのバカがくれた変なの付けてたら結構楽だった」
「そっか、良かった」
それだけ言って神奈は眠りについてしまったらしい。
いつも通りなのになんだか違う…。
そんな気がしつつ俺もしばらくして眠りについた。
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