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《番外編》猫の日③
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海堂side
***
ドアを開けて家に入ると、ドタドタと忙しい足音が聞こえた末、足元に軽い衝撃が来た。
「麗音……、どうした、その耳………」
「パパァ〜!れーくんね、ニャンニャンになっちゃったの〜!!!」
足元にくっ付いてニコニコと微笑む麗音は、宛ら空から舞い降りた天使のようで、可愛すぎて抱き上げて頬ずりをする。
「きゃ〜〜!パパ好き〜!!」
「ほんと可愛いなお前は。もっと構ってやりたいけど、そろそろママがご飯作って待ってるだろう?早く行こう」
俺の腕の中に収まり、ネクタイを引っ張ったりして遊んでいる麗音を好きにさせたまま、俺は紫音の待つリビングへ向かった。
「お……、おかえりなさい……」
「ん。ただいま。見ろよ、紫音。さっきそこで猫を拾ったんだ。」
猫のフリをしたいのであろう麗音は、俺の言葉に嬉しそうに反応し、「にゃーにゃー」と猫の鳴き真似をしてみせた。
「わ、ほんと可愛い〜。猫さんはお魚好きだから食べてくれるかなぁ?」
紫音がそういうと、麗音はビクッと硬直し、慌てて猫耳を外してポイっと投げ捨てた。
「れーくんはニャンニャンじゃないからお魚は食べないの!!」
都合のいい猫だ。
俺は麗音を椅子に下ろし、投げ捨てられた猫耳を後で紫音にもつけようとポケットに閉まった。
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