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「ありがとうございました」
俺はお礼を言って検査室を出る。
ここは病院。
雄哉達が経営している病院だ。
5年前に事故に遭った時に偶然にも生天目病院に運ばれた。
この病院で4年間の入院生活を過ごした後、退院して雄哉に引き取られたけど、引き取られた後も3ケ月に1回脳からつま先までの検査がある。
「…あれ?…雄哉、いない…?」
検査室を出て、周りを見渡すけど一緒に来たはずの雄哉の姿がない。
内心でため息をつくとお腹がグッーと鳴る。
「…お腹すいた…」
俺は左右に自分のお腹をさする。
検査は朝ご飯抜きで受けなればいけない。
いくつもの検査を受けるよりも、俺にとってこの朝ご飯抜きが一番つらい。
「…売店行こう…」
一応財布は持たせてもらっている。
何があった時用として雄哉が持たしてくれているけど、ほとんどいつも雄哉と一緒にいるので財布を使うことはない。
もう限界だ!
と言わんばかりにもう一回お腹が鳴るので、今日は使わせてもらうことにする。
検査室を出て雄哉を探す気はまったく起らず、まっすぐ病院の売店に向かった。
「あら、翔くん!久しぶりね!」
「あれ?今日はイケメンのお兄さんと一緒じゃないの?」
「おはようございます。…病院は一緒に来ましたけど、買い物は一人で来ました」
ぺコリと売店のおばちゃん…、じゃなくて売店の店員さん、お姉様二人に頭を下げる。
俺はおにぎりやサンドウィッチや巻き寿司など、
お腹にたまるものをチョイスしてかごに入れていく。
イケメンのお兄さんというのは雄哉のこと。
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