アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
43
-
「じゃあ今日はいつもより1時間遅い訳ね、わかった」
「だから先に帰ってても…、」
「帰りません。あれれ、パンケーキ屋に行かなくていいのかな~?」
あ。そうだった。
今日はパンケーキ屋さんに連れて行ってもらうんだった。
俺はため息をつく。
俺はパンケーキ屋さんのことを忘れるほど、この登校日ばかりは憂鬱。
電車を降り、それから徒歩で学校を目指す。
「今日も学校の校門までついてくる気…?」
「当たり前じゃん。翔がサボらないように学校まで見送らないと。それにお友達にも挨拶しないとな~!」
雄哉はニヤニヤして答える。
学校には課題を提出するだけで、俺にはお友達なんて出来た覚えはない。
そう、お友達なんてできた覚えがないはず…。
「あ、来たっ!」
「今日も二人で登校よっっ!」
「ああ、月一回の幸せっっ!!」
いつも校門の前にいて俺と雄哉を待っている女子三人組。
俺はこの女子三人組の名前を知らないけど、これが雄哉が言うお友達なのだろうか…。
「おはようございます!今日も無事に橘くんを教室まで届けますっ!」
「ありがとう。こちらこそいつもうちの翔がお世話になるね」
雄哉は笑顔で女子三人組にお礼を言うと女子三人組が一斉に首を振る。
「いえ!こちらこそ生で見られて最高です!」
「聞いた?うちの翔だって!!」
「本当に最高だわっ!!」
何が最高なのだろうか…。
ただ俺の本能が聞いてはいけない、
と警告を発するのでただただ黙っておく。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
50 / 344