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体育館の集合時間になるまでぼんやりと外を眺める。
真っ青な空に雲が流れていく。
「橘くん、時間です…」
「え、もう…?…はい、行きます…」
そんなにも時間が経つほど、ただボケっと空を眺めていたらしい。
「…?」
その時、ふと強い視線を感じて窓の下に視線を落とすと雄哉がいた。
「…え。なんで…?」
なんでまだ校門の前にいるのだろう?
俺と目が合った瞬間、雄哉は優しく笑う。
それが胸を痛くなると同時に嬉しく思う自分もいる。
どうして、まだ校門の前にいるんだろう…?
ずっと俺を見てたの…?
…どうして…?
雄哉は俺に向かって手を振って、どこかに歩き出す。
俺は手を振り返すことはせずに、ただ黙って雄哉を見送ってから体育館に向かう。
「…斎藤さん、行きましょう。…あ、ゆっくりでいいですから」
声を掛けてくれた斎藤さんと歩く速度を合わす。
「ありがとうございます…」
斎藤さんはニコっと嬉しそうに笑った。
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