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ころころ。side旭秀治
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僕はこれからどうするべきなんだろうか。
ぼけーっと黒板を凝視しながら考える。
今だけは黒板に連なっている複雑な文章が蟻みたいに見えた。
視覚までやられちゃってる。何を、考えてるんだろう。僕をふるぼっこにする計画をたてていなければいいけど。
吉岡君は幸いにも気づいていなかったみたいだ。恐ろしくてそっちを向けないけど落とした時点で落ちた消しゴムには目もくれなかった。
角を削り落として丸みを帯びた消しゴムは、まるで子パンダがころころ転がっていくみたいに回転していたから、音はでなかった。救いだった。
授業中立ってまで拾いに行く気はない。
吉岡君の足元に跪くなんて無理無理無理。
忠誠を誓えないとかそういうんじゃなくて、ぶっちゃけ近寄ることを拒否していた。嫌いとかじゃなくて、純粋に怖いです。
とにかくこの時間は消しゴムなしで耐えるしか。
吉岡君がトイレやらなんやらで席を立った瞬間、すばやく行動しよう。まあ気づいても拾ってくれないだろうけど…。
なにこっちに目障りなもん転がしてんだオラァって胸倉掴まれたりしないかな?不安で胃が痛くなってきた。
気合いを入れたのと同時に肩をつつかれた。びくっと驚愕で体が跳ねる。
ゆっくり。ゆっくり首を移動させる。
いきなり見たら焦ってるのがばればれになるし、急に現実を受け入れることもできない。
まっ待ってよ…。今、この時間は書き誤らないって決めたばかりなのに。
ひいいい怖いよおおおお。近くで見たら余計に怖く見えるよおおお。
叫びだしそうになる喉を無理やりねじ伏せる。
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