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【有本祖父と対談】
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ーー翌日の夜。
俺は有本家に来ていた。
へぇ、……豪邸じゃん。
怖いわ。
なんでこんな大きい家に住んでるんだ。
……金持ちだからか。
なんて自問自答して見る。
いや、だってね!?
1人なんだよね!!有本家の前にいるの俺ひとりなんだよね!!周りに家がないしさ!遥か遠くに光だけ……見えるけど!
緊張してきたな……。
意を決してインターフォンを押す。
遠い、屋敷の玄関の電気が煌々と光り始める。
門がゆっくりと開き、俺を飲み込もうとする。
俺はゆっくりと歩き出す。
やがて扉の前に来ると、扉が開いた。
沢山のメイドや執事が俺を迎え入れた。真ん中には側近の人のような、少しくらいが上がったような人が立っていた。
俺に一礼をしてから、
「庄司様の側近の、平川と申します。庄司様がお待ちです。どうぞこちらへ。」
そういった。
「……庄司?」
「勇気様のお爺様でございます。」
なるほど。庄司というのか。
てか、なんで俺が来ることを知って……?
「庄司様は遥燈様がお越しになるのをお待ちしておりました。」
「……俺を。
何故ですか。」
「…それは、庄司様からお聞きになられた方が良いでしょう。
……つきました。ここが庄司様のお部屋でございます。
庄司様、遥燈様をお連れいたしました。」
「……入れ。」
中から嗄れた、威厳のある声がきこえた。
俺はゴクリと唾を飲む。
背中に冷や汗が伝う。
平川さんがドアを開ける。
そこにはいかにも、という感じの老人がソファに座っていた。
「そこに座りなさい。遥燈くん。」
庄司さんは俺をソファへと促した。
失礼します、と一言いって、ソファに座った。
ふ、ふかふかだ……!
思わずソファをじっと見てしまった。
庄司さんは黙ってそれを見ていた。
目元が笑った気がしたが……。気のせいなのかもしれない。
「君は……随分大きくなったな。」
「俺を…知っているんですか。」
「そりゃあそうだ。私は君の祖父でもある。君の本当の父親が、私の息子だからな。」
あぁ、やっぱりか。
「君の……私の息子はね、君の母親に恋をした。また、君の母親も、私の息子に恋をした。」
語り出した庄司さんは、しきりに自分の指を見ている。
「私は反対した。なんの地位もない若者と、恋沙汰など許せん、とな。まぁ、2人は別れたが、君の母親は、授かった君の命をこの世に届けた。それほど私の息子が好きだったのだろう。後に育ての父親と恋に落ちたのだが…。
一方で、私の息子は攻略結婚によって勇気の母親と結婚し、子を生んだ。
しかし、私の息子は君の母親を愛しすぎた。そのストレスから、罪のない勇気を傷つけてしまった。また、母親も、愛されないストレスで勇気を傷つけた。
……勇気の両親については、もう知っているだろう?」
はい、と答えた。
庄司さんは相変わらず自分の手を見ている。
「このとおり、勇気は君と血の繋がった兄弟だ。母親は違うとしても……。
君は脳が優秀だろう?多分それは、私の息子からの遺伝だろう。」
「……。」
「おぉっと、少し語りすぎたかな?気分を害したようだね。」
終わりか?
「それで……。何故俺がここに来るのを待っていたんですか。」
「君を孫として引き取りたいからだ。」
「……は?」
思わず、失礼な言葉を使ってしまった。
「まぁ驚くのも無理はないだろう。
でもね、君は勇気より優秀だ。
あんな汚いものを私の後継にしたくなくてね?きっとこの日を望んでいたんだ。
勇気は、親に蔑まれ、殺し、周りの男に体を開き……なんとも汚らしい下衆になってしまったんだ。だから君をね……。欲しくてたまらないんだよ。」
「……な、何言ってるんだ……?有本は、あなたの正当な血を受け継いだ孫じゃないですか…。なんでそんなことを……」
「君だってそうだろう。」
「じゃあ何故、有本をアメリカに?例えばそうだったとして、何故そうしたんですか」
「ただの口実だよ。君を誘き出すための。
君は優しいからね。
きっと引き寄せられることはわかっていたんだよ。」
……なんで、俺のことを分かってるんだ……?そんな……優しいとか、優秀だとか、なんで、何処で俺を見て……。
「そんなの断るに決まってるじゃないか!!こんな所から有本を連れて帰る!!そのために俺は来たんだ。その話に乗るために来たんじゃない。」
「本当に?それでいいのかな。
君のお姉さんがどうなってもいいのかね?」
……姉?なんで姉貴が……?
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