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電話の男 1
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澄和side
どちらからともなく俺か蓮見さんどちらかの家で一緒に夕飯を食べるようになって、しばらくが経った。
そのまま泊まることも珍しくなく、お互いの家にお互いの物が増えていくのを見て蓮見さんはよく
カップルかよ、と可笑しそうにしている。
今日は俺の家で夕飯を食べた。
蓮見さんが食器を片付けてくれているのを、ソファーの背から顔だけをひょこっと出して観察する。
引き締まった顔つき。
腕まくりしている男らしい腕。
かっこいいよなぁ…。そりゃモテるはずだ。
一緒にいる時間が長くなって痛感していたことだ。
電車でもスーパーでも道を歩いているだけでも、女の人やはたまた男の人の視線を一身に浴びている。
隣の俺まで息が詰まるくらいだ。
「…ゎ?……澄和?」
「ぅあ!」
いつの間にかすぐ近くに来ていた蓮見さんにびっくりして後ろに転げ落ちそうになったのを、いとも簡単に支えられた。
「インターホン鳴ったぞ?客か?」
「分からないです…」
特に来客の予定も無ければ宅配なんかを頼んだ覚えもない。
しかもこんな夜に訪ねてくるなんて…
不思議に思いながらモニターを覗くと。
「千景さん?!」
千景。
その名前に蓮見さんの眉がぴくりと反応したことを、俺は全く気付いていなかった。
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