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童 4
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「ごめんなさい…!
僕…っ、…僕、そんなのじゃ千景の供の者になれない!ごめんなさ、い…」
立ち上がり、
鼻の奥がツンとするのに耐えながら叫ぶ。
「なんで謝るんだ!
そんなことどうだっていい…!!!」
「でもっ」
「どうしたい」
立ち上がった僕に目の高さを合わせるように膝をつき、そのままギュッときつく抱きしめた組長から出た言葉は、全く予想していなかったものだった。
「澄和は誰がなんと言おうと立派な柊家の息子だ。
けど。…本当は"こっち側"の人間じゃない。
綺麗な世界で何にも縛られることなく自由に生きていく道を歩く権利を、お前は持ってる。
大事な息子には幸せになって欲しい。
お前は、どうしたい」
「僕は、…………ずっと、ここにいたい」
いつの日もいつの時でも決して誰にも弱みを見せなかった組長が一筋の涙を流したのを、僕は一生忘れないだろう。
「…そうか…良かった……。
柊組…いや、千景を。頼んだぞ、澄和」
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