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七瀬さんに告白されたのは昼休みだった
自分の教室に入るとみんなが冷やかしてくる
俺は幼なじみである一ノ瀬桜の方を見るが、机で伏せって寝ている
俺が告白されようがどうでもいいんだなと少し悲しくなる
そんな考えを巡らせていると
「おいおい、今日はなんか長かったな!何してたんだよ!」
クラスメイトがニヤニヤしながら近寄ってくる
「相変わらずうるせーなー」
「もしかして付き合うのか?」
「わかんねーけど付き合うかも」
まだ返事はしていないが桜を忘れるためにもいいかもしれないと思っていた
それに七瀬さんといるのはとても居心地が良かった
そう言うとワッと教室が騒がしくなる
「誰?!誰だよ!」「有栖くん付き合うのー!?」
クラス中の視線が一斉に俺に注がれる
みんながわーわー騒ぐから桜も起きたようで
「何の騒ぎだよ…」
と眠そうな目をこすっている
「おい桜!有栖彼女ができたんだと!!」
「は?」
桜は驚きの表情を浮かべている
「まだ彼女じゃねーつーの。返事してねーし」
彼女が出来たことに桜はどんな反応を見せるのだろうか
桜の一つ一つの言動に反応せずにはいられない
「有栖彼女できたのか」
「まだ返事は返してねーけどな」
「…俺も彼女つくろうかな」
その一言は金槌で頭を殴られたようだった
「…おう!つくれよ!ダブルデートとかしようぜ!」
気づかれたくない
気づいて欲しい
この気持ちを忘れたい
忘れたくない
恋人になりたい
恋人じゃなくてもいい。隣にいたい
いろんな想いが重なってぐちゃぐちゃになる
気持ち悪い
「わり、きぶんわりー。ちょっと保健室行ってくるわ」
「俺もついていく。」
桜が立ち上がろうとする
「いいって!大丈夫だから」
大丈夫。うまく笑えたはず
そう言って俺は教室を後にした
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