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スタートラインY その8
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クラス会当日。
土日を挟んだお陰かあれから川本とはほとんど会う事もなく、気分は落ち込んでいるが幾分かの平穏と平静は保つ事が出来た。
部活の残務で職員室からの戻りに廊下を歩いていると、部活を終えた島田が
「先に行ってんで!カラオケんとこな!!駅の方!!」
と走り去る。
行きたくない。
このまま会わずに年を越して、冬休み明けに会うくらいが今の自分にはちょうどいい。
川本を好きじゃなくなる努力をする時間が欲しい。わがままを言えば、せめて年度が変わる頃まで期間が欲しいくらいだ。
しかし現実は甘くない。
休み中でも部活があればどこかでは会うし、そうでなくとも川本から遊びの誘いは必ずある。
それならいっそクラス会に顔を出しても一緒だろう。
悩んでいるうちに部室に残ったのは俺一人となってしまった。
それでもまだ悩んで、なんとなくロッカーを整理してみたり、のんびり着替えてだらだら下校。
家に着いて熱めのシャワーを浴びる。
上がって時計を確認したら、予定の時間を1時間半オーバー。
もともと遅れて行くつもりでいたし、なんなら間に合わなくてもいいようにと丁寧に時間を使った割に時間の進みは遅くて。
おかんの『ご飯どうすんの』攻撃に追い出されるように、仕方なく準備をして会場へ向かった。
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