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「何があったか知らねぇけどよ、そんな1人で抱え込むなよ?
お前はお前らしくしてろ。いつもみたいに調子に乗ってりゃいいんだよバーカ」
なんでこんなに先生の言葉は暖かいんだろう
最後はやっぱり罵られてるのにそれには優しさが込められていて心に響く
この先生はきっと本当の俺を見てくれる
俺のことを何もわからずに無意味に怒鳴ったりしない
「ねぇ先生?」
「あ?」
「もし俺が今から話すことを聞いたら…、先生は俺を暗闇から助けてくれますか…っ?」
「…ああ、お前がそれを望むなら」
この人になら話せるかもしれない
家族の話なんて重い話、他人にするのは気が引ける
でも今が俺の人生を変えるチャンスなんだ
話すことを決心すると先生にはざっくりと話した
先生が信用できる人だとしても事細かに話すのは気が引けたからだ
幼い頃から両親からひどい仕打ちを受けていたこと
暴力は日常茶飯事だったこと
父が再婚して俺の存在はなかったことにされたこと
昨日は父にバットで殴られたこと
途中で混乱して文章がぐちゃぐちゃになったりもしたが先生は1度も怒らずに静かに聞いてくれた
話しているうちに涙ぐんで、少しだけ泣いたりもしてしまった
「――っ…酷いな…」
俺の話を聞いて先生は眉をひそめる
『酷い』
この言葉に尽きるのだろう
それ以外に思いつかないようだ
先生は少し考える素振りをして俺に問いかける
「お前は…どうしたい?」
「どう…?」
「お前がいま思ってること!今から帰んだろうが。それについての気持ち!正直に言ってみろ」
「…俺がいてもいなくても同じなあんな家には…もう、帰りたくないな…」
「そうか、まあ…お前の自由だけどよ?たまになら俺ん家…
泊めてやってもいいぞ?」
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