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「ぉ…ろ…るりー」
なに…?
「…ぃ、まで……だ」
夢現の境を漂っていた俺に突然誰かの声が意識を呼び起こす
また…怒られる?
俺なにかした?
まだ覚醒しきっていない意識のなかで瞼をうっすら開けると目の前に人影が覆いかぶさっていて殴られる恐怖が心を支配する
こわいっ、やだっ…
昔お父さんに、寝ているのが腹が立ったって理由で立てなくなるぐらい殴られたことがあった
だから寝起きに正面に人がいることがトラウマになっている
「るーりくーん、いつまで寝てんのー」
そう言って黒い人影は俺に手を伸ばして俺の頬に触れる
「―やだっ!」
「―わっ、と」
ドン、と胸を押し返して目を開けるとそこには先生がいてびっくりしたような顔で俺を見ている
今何しようとしたの?
おぼつかない頭で考えても悪い方向にしか働かない
恐怖で鼓動が速まり息があがる
「はっ、はぁ…―ヒュッ、ぁっ」
ヒュッと音をたてて喉が締まり息の仕方がわからない
「お、おい?なにどうした」
焦った先生は俺の背中に手を伸ばしてさすろうとするが俺はその手をはたいて逃げてしまう
「こな、でっ…こないで…っ!」
息のできない辛さに生理的な涙が頬をつたる
こないでと言っているのに先生は容赦なく近付いてくる
先生から離れたくてソファから転がるように落ちてそのまま震える身体で後退りする
「ひゅ、は、ぁ、来る、なっ!」
そう絞り出した俺を無視して抱き寄せる
「ごめん、驚かせた。大丈夫だから。ゆっくり息しろ」
勝手に俺がビビってるだけで先生はなにも悪くないのに謝らせてしまって罪悪感が襲う
背中をゆっくりと上下しながら撫でる手のリズムに合わせて息を吸う
それでもまだ息が出来ない
誰かが俺に触れているという状況が怖くて怖くてしかたがない。それが先生とわかっていても恐怖に苛まれる
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