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「じゃあ最後にミス紅夜に一言いただきましょうか!」
司会が白永先輩にマイクを渡す。
白永先輩はマイクを受け取って、ニコリと笑った。
「僕に投票をしてくれた人、ありがとう。全員顔はちゃんと覚えてるよ。生徒会室で待ってるね」
艶っぽい唇から発せられた声は透き通るような、でも声変わりしてる男の人の声だった。
どこからどう見ても男の人で、声だって話し方だって男の人なのに、どうしてあんなに色っぽいんだろうか。
白永先輩には人を惹きつける魅力がある。
優勝したことになんの違和感も感じないくらい、彼は綺麗だった。
「それともう一人!優勝には至らなかったのですが、中等部1年B組、神谷広翼さん!普段のミスコンでは準優勝者は発表しないのですが、今回初登場にして3位と差をつけての2位だったのでご紹介します!」
「………え?」
僕が白永先輩に見とれているうちに、僕にもスポットライトが当てられた。
2位…?
僕が?
「たしかにとーーっても可愛いですね!紅夜学園の今後のミスコン、期待の星になりそうです!来年は是非優勝してくださいね!」
パチパチと会場全体から拍手が止まず、クラスのみんなが僕に手を振っているのが見える。
優勝できなくてごめんね。
そう思った。
「以上で紅夜学園名物、女装コンテストを終了します!参加してくださった選手の方々、会場に集まってくださったたくさんのお客様に御感謝いたします!最後にもう一度、優勝した白永都姫さんに盛大な拍手を!」
わーーーーっと再度大きな拍手と歓声が上がり、ミスコンは終了した。
ステージから降段した瞬間、僕は控え室を飛び出た。
「あ!広翼くん、待って!」
後ろから先輩に呼び止められる声がしたけど、今はそれどころじゃなくて。
れーくんの所へ早く行きたくて、僕は全速力で走った。
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