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校長先生の長〜いお話をみんなすごくしんどそうな表情で聞いている。
須鴨先生も欠伸してるし…。
なんだか僕もボーッとしてきた。
「ちょっと、広翼、大丈夫?」
「れーくん……」
「うわ、え、熱?広翼!」
れーくんの驚いたような表情と声、次いで体がふわっと浮き上がるような感覚がした。
なんだか周りがザワザワうるさいし、景色がどんどん変わってく…。
僕、運ばれてる?
頭がとても痛くて、生理的に涙が出てくる。
れーくんの服をキュッと握ると、僕を支える手にさっきよりも力がこもった気がした。
しばらくして目を開けると、真っ白な天井やカーテンが見えて、背中には硬いマットレスを感じる。
保健室かな?
ベッドの隣の籠には僕の鞄が入っていて、椅子に誰もいないことが何故か寂しかった。
心の何処かでれーくんがいることを期待していたんだと思う。
「あ、起きた?」
シャっとカーテンが捲られ、養護教諭の湊先生が顔を出した。
三枝湊(サエグサ ミナト)先生。
優しそうな雰囲気にふわふわと花が飛んでるようなオーラを放つ超癒し系の先生だ。
生徒からも人気があって、「湊ちゃん」とか「湊先生」って下の名前で呼ばれている。
湊先生は僕のおでこに冷たい手を当てた。
「うん。だいぶ下がって来たね、よかった」
「なんで僕…」
「熱中症だよ。体育館がすごく暑かったからね。他の子も何人か熱中症になりかけてた子がいて、さすがに校長の話も中止になったよ」
湊先生は苦笑しながらそう言った。
そして、「よっこいしょ」とベッド脇の椅子に座った。
「あ、そうだ。君を連れてきてくれた海堂くんだっけ?あの子、ずっとここに座って君のこと看病しようとしてたんだけど、戻らせました」
「え?」
「彼はここにいてくれようとしたってことだよ。ちょっと不安そうな顔してたからさ」
よしよしと撫でられて、自分の眉が下がっていたことに気づく。
そんなに顔に出していたつもりはなかった。
「まぁそろそろ部活も終わる頃だし迎えにくるよ」
湊先生がそう言った数分後、保健室の扉が開いた。
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