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すれ違い②
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「・・・想太?」
「優太には、ボクの気持ちなんて分からないよ。知花が転校してきた時からずっと知花の事が好きなのに、知花から相手にもされないボクの気持ちなんて・・・分からないよ。」
想太は俯きながら必死で悲しさを堪えているのか、とても辛そうに僕へと言い放つ。
「で、でも・・・僕は、ま・・・」
誠の事が好きだからと言いそうになり、慌てて言葉を切る。僕らの会話が聞こえる位の距離に、誠がいるからだ。僕が誠の事が好きだというのは知られたくなかったので、それ以上は何も言えず、悲しげに想太を見つめる事しか出来ない。
でも、僕が誠に恋をしているという事は想太もよく分かっている筈なのに、こうして僕を責めているという事は知花に対する想太の恋心は深いものなのだろう。
ーーー想太は僕に嫉妬しているんだ。
ーーーそして行き場のない想いを僕に、ぶつけてきたんだ。
こんな事は、初めての事だった。
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