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3-3 お花畑
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最後の晩餐、じゃないけど。
この家の一員、桜宮 奏として食べる最後の昼食。
テーブルを囲んでいる三人の眼と鼻は赤い。
使用人が迎えに来なかったら、延々玄関で泣き続けていたかも。
「嫌なことがあったら、我慢せずに連絡してくるのよ」
何度も何度も、母さんは涙目のままその言葉を繰り返す。
全然食事には手をつけていない。
「女性のαは、性格キツイからね。
合わないなっと思ったら、無理して番にならなくていい。
もっといい相手を、みんなで見つけるから」
父さんは、さも簡単なことのように話すけど。
俺を引き渡せる家を探すのに、時間も労力も惜しまず掛けてくれたのを知ってる。
俺がΩとわかってからは、表向きは俺をαとして建ててくれるαを探し。
αの弟が生まれてからは、五年かけ、親戚総掛かりでΩの俺を安心して出せる家を探してくれた。
αの弟が桜宮家を継ぐには、長男でもΩの俺がこの家に居続ける訳にはいかない。
αとΩ、格の違いはハッキリしていても。
Ω人権解放運動が盛んになってきた今、後継者争いの火種に成りかねない。
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